やさぐれの美学

  • 2017.02.10 Friday
  • 21:22
いやぁ、今年のインフルは何ともタチが悪い。
なんとかようやく通常生活に戻りつつあるけれど、胃腸炎のような症状と脱水気味で低体温になった時は、もはやこれまでか…と呟きそうになった。
熱は大したことないけれど、本当に今年のはかからない方が良いです。
皆様どうぞお気をつけてください。

いやぁぞくぞくと上げて頂けるAOIの大輔動画。
こみ上げる感じで極まった様なチューリッヒの最終公演から、ローザンヌではちょっと枯れた感じが入って来て良い意味での気だるさが感じられた。
(いや、キャラバンも見てます、見てるんですけども。)

率直に申し上げて私はフィギュアスケーターと言う括りの中では抜きん出て高橋大輔にしか興味が無い。今更だけど。
なので一般的な目線でしか言えないのだけれど、フィギュアスケートと言うジャンルでやさぐれ感があんなに出せていいのかと、つい思ってしまう。
例えば高橋大輔と言えばタンゴ、と良く言われるけれど、ラテンの似合い具合とやさぐれへの親和性は同じ所から来ている気がしてならない。

私は個人的にとても南米の人達、特に女性の佇まいが好きだ。
彼女たちの熱帯の陽射しがもたらす明るさは生のエネルギーに満ちている。
その一方で、侵略の歴史がもたらした痛みの為か、不安定な経済や決して良いとは言えない治安の為か、時折そこにふと濃く深い闇が差す。
その闇を振り払うかの様に身体中の全エネルギーを込めて踊り狂うタンゴ。
あらん限りの情熱を込めて、たった一人の誰かに向かって行く。
それは側から見たら怒りにも似ているかもしれない。

私はなぜだかその、痛みの歴史を背負いながら力強く愛を求める南米の女性が好きなのだ。
生きている感じが、とてもする。
裸足で大地を踏みしめて、傷だらけの足で、まっすぐ前を見据える様な強さが好きだ。

そしてこれもなぜだか、その感じが高橋大輔からもする。
それがとても不思議なのである。
公表されている限りの彼の生い立ちや、選手としての競技生活を考えてみても、今ひとつしっくりこない。
もちろん彼の競技生活に怪我とリハビリによる痛みは切り離せないものだし、恐らく今の彼の人となりに少なからず影響を与えているとは想像は出来るけれど。
そう言った後天的に与えられた試練では無く、もっと根源的な怒り、生まれた場所や性別に捕らえられてしまう様な、如何ともしがたい事に対して生じる内側へ向かう憤りと言うか。
そう言う背景がないと、なかなか出てこないものの様な気がするのだけれど、こればっかりはもう分かりようが無い。

タンゴにせよやさぐれダンスにせよ、そこに何らかの負のエネルギーが必要だと思うのだ。
タンゴはまだやり易い様に思う。
誰でもきっと身に覚えがあるだろう。
怒りに任せて普段発揮できない様な力を出して、目の前の難題を片付けてしまった様な経験が。
私にもある、あんな美しいものを生み出したわけじゃないけれども(笑)

ただやさぐれはそのままやさぐれていれば良いとは思わない。
下手したら見ているこっちまでブルーな気分になってしまう。
それを悲哀に切なさに、状況如何に関わらず人の魂が求める事に変わりはないのだとか、そんな事まで思わせる様な表現へと昇華させるのは、正にmagicと言われる所以だろう。

やさぐれて様になる男と言うのは、女もだけれど早々いるものでもない。
まず容姿大事だしね(笑)
でも容姿が良いだけでもダメだしね。
もしかしたら一番大事なのはやさぐれた自分を自分で哀れに思わない事なのかもしれない。
どんな状況にあっても自分に期待し続ける事が、あの思わずため息をつきたくなる様なやさぐれが生まれるのかな、なんて。

しかしながら、見に行かれたファンの方やメディアから出される写真。
それぞれに素晴らしいけど、どこを取っても一切力みが感じられない。
それなのに指の先に至るまで完璧なフォルムで。
なんて言うかもうおっさんの様に「かーーっ!」って言いたくなるよね。
本当に四肢の自由さが羨ましい。
一回貸してもらいたいものだけども、このボロボロのおばちゃんの体を貸すのもあまりにかわいそうなので、やめておきます。


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  • 2017.08.15 Tuesday
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