流れ込む感情

  • 2017.03.02 Thursday
  • 23:18
ここの所久しぶりに高橋大輔のプログラム巡りをしていたら、改めて気が付いた。
いつも主に海外の動画を巡るのだけれど、解説の方達があちこちで「confidence」を連発するのである。
19才でまだシニアで結果を出せて居なかったスケアメでも、自信のある滑りと言われて居た。(あのラフマニノフ好きなんですよね〜)

日本の放送ではあまり聞かない表現だなと思う。
でも私としてはとてもすんなり納得出来る。
日本で「自信」と言うとちょっとオラオラ系と言うか、見せつけると言うようなニュアンスで受け取られる場合があると思うが、ここで言うところの「confidence」は確かなもの、揺るぎないものに近いのではないかと思う。

私はいつも高橋大輔が滑っている所を見ると、生きやすそうに見える。
自由度が増すと言うか。
私はそういう人達をこっそり「天然物」と呼んでいる。
普段の生活よりその表現に関わっている時の方が遥かに生きやすそうな人達の事。
ミュージシャンでもダンサーでも役者でも、注意して見ると意外と少ないのだ。
当たり前だが身体を使って行う表現やスポーツには型やルールがあったり、道具を使ったりして制限を設ける。
その制限の中で美しく躍動できるか、結果を残せるか競ったりするわけで。
だから面白いし、魅せられる。
でも天然物の人達はそうじゃない。
同じ事をしている人達の中でも格段に自由なのだ。
制限が制限にならず、むしろ自由さを与えている様にすら思わされる。
これは多分人より努力したからとか言う話ではないと思っていて、そう生まれつく人達が何百万人に一人とか、もっとかもしれないけど、そういう確率で生まれてくるのだと思っている。

もちろん高橋大輔が努力の人である事も存じているけれど、彼の人の心を容易く掴むと言う能力はやっぱり天然物だと思う。
スター体質って言うんですかね(笑)
彼みたいな人にはもう、うまい言い方が見つからないけど降参するしかないと思う。
天然物の輝きは養殖や人工では賄えない。
ダイヤモンドがジルコニアに負ける事なんて無いわけで。

それからまた改めて思ったのは、高橋大輔の手の表情のうまさ。
2007年のスケアメ(またかい)のロミオ。
途中のスローパートでジュリエットとの抱擁を思わせるような振付があるけれど、アメリカの女性の解説者が「ロミオの動きに思わず身を乗り出して見てしまう」みたいな事を言っていて(笑)

割とフィギュアの振付で顔に手を持っていくと言う仕草は多いように思う。
まあシグナルとして分かりやすい表現なのかなと思うが、大体の場合記号的な役割を果たすだけで終わる。
でも高橋大輔の場合、すごくうまいなーと思うのは、自身の手で自身の顔を撫でているだけなのに、それがあたかも愛しくて仕方ない人に頬を触れられた様に見えて、しかもその感覚をこちらにも覚えさせる事だ。
彼の感情にこちらを巻き込んでくるのだ。
だから思わずドキッとしてしまう。

愛しい人に頬を触れられて電気が走る様な心持ち。
…何十年前の事ですかなぁ…。
まあ今更弛んだ頬を触られても虚しいし、触られて嬉しい人も居ないのでいいんだけどっ。

何でかと言うとこれも恐らくだけど、他の人の場合単純に自分の顔に手を持っていくと言う動作なのに対し、高橋大輔はちゃんと顔ごと手を迎えにいく感じなのだ。
気持ち顔を傾けて手に沿わせる様な仕草になり、目線も気持ち下げ気味で手に注意を向けている感じがする。
ちゃんと好きな人に触られた時の人の動きを競技プログラム中(!)に再現している。

LOTFのグリーンバックなんかもうそれの最たるものと言うか。
その場で聴いた音楽であそこまで引き寄せられると、まあやっぱり降参するしか無い。

あんなに感情を的確にしかも熱狂や高揚、時には痛みすら伴って人に伝えられる。
フィギュアと言うか、高橋大輔のパフォーマンスはちょっと時々危険だなと思う。
音楽なんかはもう少し輪郭が曖昧なので、中心の熱や真意は伝わるけどその周辺は光が縁取るみたいに少しぼんやりする。
弾き語りで無い以上、パフォーマンスそのものにある程度の人数が関わるからかもしれない。
でも高橋大輔の場合音楽と彼だけなので感情が濃密なまま、こちら側に届く。
あんなに誰かの感情を濃密に受け取ることは日常において、親子だろうが恋人だろうがちょっと経験が無い。
しかも私なんて生はLOTFの1回だけで、映像から受け取ってるだけなのに。

氷上の高橋大輔を楽しみな反面、後に引けなくなったらどうしようかなと言う思いもあったり。
でもそれくらい強烈な体験であって欲しい思いもあったり。
ま、結局は氷艶が楽しみなだけですけどね。
…その前に、息子よ、頼むから公立受かってね。

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