最近気持ちが凪いでいる。
漂流した船は凪の海になると幾日も固定されたように動かなくなると言うが、まさにそんな感じ。
穏やかだと言えなくも無いが、このまま倦んでしまいそうだと思ってしまうのが、私の良くない所だ。
LOTF2017 in LA見ましてございます。
なーるほどー、と言うかリバーシブルな感じなのかな、今年は。
初っ端からエクスペリメンテーション(長い)が来て、去年より更に実験色が濃いし。
新しい女性ダンサーのシャーメインさんが、LOTFのアメリカツアーでは神様ポジションをやられるのかな?と何となく。
ムッキムキの男性ダンサーズに密着され、転がされ、抱きかかえられ、放り投げられるのを見て、やっぱり高橋大輔はあのサイズで良いんだなと勝手に納得していた。
(個人的に身体表現において、身長165〜170センチの人が一番適していると物凄く勝手に思ってます。)
あの振り付けって真ん中にいるのが女性でも成り立つよなと思って。
むしろそっちの方が一般的にはしっくりくるのだろうけど、何でか彼は女性と絡んでもいわゆるエロスはあんまり感じないんだけど、男性と絡む方がよりスリリングな色気を感じる、のは私だけではないはず。
恐らくは「男」とか「女」とかの端的なシグナルが似合わないせいかと思う。
Vasの時にも思ったけれど、ヘルマフロディトスと言うか、性別の無いもの、どちらとも取れるものとしての振舞いが、えらく官能的なのである。
だから恐らく女性と絡むと「男」として対比される為、彼の本来持つたおやかな色気が女性側に吸収される様なイメージがある。
対して男性と絡むと、あの英語ではフレアと言われる華の様なものが引き立つと言うか。
べつにあの特別そういう傾向のものが好きと言う事も無く、特に抵抗もない派だけれども、そう言うの抜きにしても男性との絡みの方が単純に魅力的だと思ってしまう。
…ご本人は大変ジェントルマンなんだろうけども、女性でもあの華自体滅多にあるものじゃ無いからなあ…くっそ、と思って来た女性もいるだろうなぁ(笑)
しっかし振り付け覚えるの早すぎやん!!
雨に唄えばとかは去年の見てたにしても早すぎー!(でも傘の扱いがー!)
なんかどっかで一人でコソ練して来たんじゃないのかって思ってしまう位早い。
その同時期に氷艶の練習しまくってて、阿国ちゃんダンスも習得しちゃってて、身体どうなってるんですか。
なんかどっかにメモリーカードでも差し込んでんじゃないのかと。
パフォーマンスに関する情報処理の量及びクオリティがおかしいです。明らかに。
これミュージシャンとかなら、ある程度ね、自分のバンドやりながらサポートとかね、忙しいけどあり得るけど。
体の酷使の仕方が…て思いましたが、きっと現役時代はもっとやっていたんだろうなあ。それでこそのあのスタミナや、追いこみ方だと思う。
二度目に渡米した6月の時の映像で、最後の方にシェリルさんメインのフラメンコの練習風景があった。
向かい合い鏡の様な振り付けの所で、何かしらシェリルさんからの指示を受けていて彼女の動きを見つめているのだけど。
あの目。
ライラックワインの時のジェフリー・バトル氏を見つめていた時を思い出した。
あの時は鋭さがありながら冷静を通り越し、どこか冷淡とも言える様な瞳だった。
でも今回のシェリルさんの動きを見る高橋大輔の瞳は、鋭さもあるがそれよりも強く熱い。愛する人を見る、優しく溶ける様な熱さじゃなくて、もっとジリジリと肌が焦げるのじゃないかと言う様な容赦ない熱さだ。
慣れ親しんだスケートの振り付けでは開かなかったものが開いたのかな、と思った。
新しい物への取り組み方を見ていると、やはり彼はアスリートなんだなと感じた。
物事の捉え方はアーティスト的だが、ガッと入った時の集中の仕方やギアの入れ方が、アーティストのそれとはやはり異なる所があるな、と思った。
会見でのグローリーの映像を見ると、既に振り付けされた直後からの変貌が見えて。この人の言う「練習した」はどの位やったら「練習した」と言えるのか、怠け者の私的には皆目見当がつかん。
そう言えばあのー、ポーンと投げられる前にやる振付で、シャーメインさんが縮んで→アーチ→もう一回縮んでって言った時、腰痛持ちの私は即座に無理っすって言ったよね。
あんな事したらギックリ腰アゲインよ、本当に。縮んで→アーチの時点でギャー!だわ。やる予定も無いし、誰も投げてくれないし、飛んでもガタイの良いダンサーさんも待ってないのでね、大人しく見るだけにします。