あくまでも噂なの

  • 2017.10.01 Sunday
  • 01:02
先日放送されたとんねるずの特番で、往年の名キャラクターである保毛尾田保毛男が登場した。

私もその番組を見ていて思わず懐かしー、と頬を緩ませた者の一人である。
しかしながら、翌日?当日からかな、LGBT団体の方々から差別的だとクレームが入ったとの事だった。
うーん、と首を傾げざるを得ない。

私は人のセクシャリティに対して何ら興味はない。
と言うより、セクシャリティ以外の事でもその人個人の、パーソナルな領域の事について他人がとやかく言う権利など、そもそも無いと思っている。
しかるにその人のセクシャリティがどうであろうと私の関知する所では無いので、良いも悪いもあるものではない。
みんな好きに、好きなものを好きになったら良い。

勿論そう言う人間ばかりではないので、実際LGBTの方々が受けたと感じた差別的な体験や傷については申し訳ないが想像の域を出ない。
だからこそ今回の保毛尾田保毛男についても、瞬間的に嫌悪感を抱いた人がいるのも理解は出来る。

私はいわゆるアラフォーと呼ばれる世代で、とんねるずの最盛期であろうと思われる90年代に散々彼らの番組やコントに触れてきた世代だ。
勿論保毛田保毛男もリアルタイムで見ていた。
初めは教室に良くある風景(だったかな?)の中で出てきた教師役で、ウケが良かったのだろう、その後保毛男メインのコントがシリーズで続いたと記憶している。

保毛尾田保毛男が差別的だとは私は感じた事がない。
当時小学生で性に対してほぼフラットであった私が見ていて、同性愛の人って気持ち悪いなあとか、変だなあとかは感じていなかった。
なぜなら保毛尾田保毛男は石橋貴明氏が演じてキャラクターの中でも、良識を備えたジェントルマンであったからだ。
むしろあのコントの中でアブノーマルだったのは姉役の故・岸田今日子さんの方で、良識的な保毛男が一方的に翻弄されるという図式だったと記憶している。
(手元に資料があるわけではないのでね、あくまでも記憶ですけど。)

大きな体の石橋貴明氏が小柄で華奢な岸田今日子さんに、あの怜悧で魅惑的な声によって攻められるという構図が面白かったのだと思う。
コント55号の博士が助手にやり込められる図式と似たものではなかろうか。

ともかくわたしが見ていて、同性愛者の方を嘲笑の的にしていると感じたことは無かったのは確かだ。
保毛男さん良い人、と思って見ていた。
そら、名前はアレだけど、コントだもの。
第一とんねるずというコンビ自体が、まずもって大衆に迎合して受けてきた人達ではないのだ。
今で言うカンニング竹山さんみたいなキレ芸ではなくて、若かりし頃の石橋貴明氏は本当に怖かったし。
若い頃のとんねるずは瞬間湯沸かし器どころか瞬間ダイナマイトみたいな石橋貴明氏の側で、人の良さそうな笑顔を浮かべながらもっと酷いことをする木梨憲武氏、というイメージだった。
確かに破壊的ではあった。
でも卑怯じゃなかった。だから面白かったのだ。

石橋貴明氏は保毛男を、同性愛というものを貶めようと思うなら、もっと酷いキャラクターにしたと思う。
より性的に、より露悪的に作る事も出来たと思うが、先にも書いたように保毛男は良識的でジェントルマンでお姉さん思いのとても良い人だ。
どうしてそれを差別的だと言うのか、私にはちょっと分からない。

そもそも人のセクシャリティって危ういものじゃないかな、と私は思っていて。
10代後半の頃は割と悩んだりした。
本当に私は男の人が好きなのかな、とか。
割とノーマルな人の中にも居ると思いますよ。
女の子の肉体に興味があるわけではないけど、話していて相互理解が本当に働くのはやっぱり同性だしなあ、とか。
でもどこかで男性とそうありたいと思ってしまうけど、それはやっぱりあり得ないのかとか、考えたりして。
ぶっちゃけ今も答えは分からないですけど。
同性に対して恋心に近い憧れを抱いたりするのは、男性でも女性でもある事だと思うし。
少なからずメンタルでは両性愛の人とかは潜在顕在問わず割と居ると思っている。

でもあのLGBTの方のセクシャリティって凄く複雑な分類があって、勉強不足で申し訳ないけどちょっと当事者でないと覚えきれない所もあって。
そして何となくですけど、そう言う枠の中にご自分達で自身を押し込めてる様な印象もちょっとある。
初めは違うのかもしれないけど、セクシャリティに分類がありすぎるのもなんかおかしな気もして。

基本的には人の心って揺らぐものだから。
私だって基本的にはノーマルだけど、もしかして出会う人の中で唯一その女性だけは身も心も欲しいと思う事もあるかもしれなくて。
でもそれは同性の中でたった一人の事例なのに、それはバイだとか言われちゃう訳じゃないですか。
そんな分類細かく必要なのかなって。

もっと言っちゃうと人の心の傷やトラウマってもう無数に星の数ほど存在するわけですよね。
もしかしたら100人中99人が良いものとして認識しているものを、残りのたった一人にしたら物凄いトラウマな事だったりする可能性もあるわけで。
だから我慢しろって事ではなくて、ある程度自分で避けたりする事も必要な事ではないかと。
だって当事者以外の99人にとっては良きものなわけですから、お互いがお互いの幸福や傷に押し付け合うのではなくて、労わりあうって言うんですかね?思いやりの方がうまく行く気がしますけど。

今回の保毛男さんについては嫌だと感じた人が抗議をしたのでしょうが、私はそれって個人的感覚でしかないのじゃないかと思います。
だってあの番組内で保毛男さんが差別的な表現をしたとは思えないので。
まあ、名前って言われるとすみませんって感じですけど、もうその名前すら別に単なる個人名みたいな認識なので。

むしろあれですよ、石橋貴明氏のやったキャラクターの中なら宜保タカ子の方がよっぽどえげつな…
なんせ実在の人物ですからね、宜保さん。ええ。

私は石橋貴明氏ってパブリックイメージだとこう、荒くれ者と言うか、粗暴なイメージが強いのかもしれませんが、本来かなり繊細な方だとお見受けします。
良識的で優しい保毛男さんは、もしかすると石橋貴明氏の普段見せない核の部分に近いのじゃないかな、などと今回の騒動を受けて思いました。
多分抗議が来る事も想定してたんじゃないですかね、番組側も。

何となく時代が変わったとか言ってる人が多くるみたいだけど、変わったのではなくてそれが差別なのかそうでないのか見分ける能力が無くなった人が増えたのではないかと。
そんな気にもなったりした。
本当の差別はこう言う事ではないと思う。
もっとぬるくてもっと緩やかで、そしてもっと汚いやり方でやって来るのが本当の差別だと思う。


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  • 2017.11.13 Monday
  • 01:02
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    コメント
    真響さんの書かれる高橋大輔さんについての文章を前から楽しませてもらっています。
    今回は大輔さんについてではありませんでしたが、最後まで「そうそう」と思いながら読みました。真響さんの文章はとても惹かれるものがあります。特に最後の「本当の差別は」の文章は何か響くものがありました。
    これからも真響さんの書かれる文章を楽しみにしています。
    大輔さんのカーニバルオンアイスでの新プロについての感想も楽しみにしています!
    • みほ
    • 2017/10/01 11:24 PM
    みほさん、こんばんは。
    コメントありがとうございます!

    まあ流しても良いような話なのかもしれませんが、なんだかもう何でもかんでも規制される世の中にウンザリしていた所だったので笑
    自分を傷つけるもの全てを世の中から排除してしまったら、後には何も残らないと思うんですけどねえ…

    こんな話にまでコメント頂き恐縮です笑
    それよりも高橋さんの新プロ楽しみですねー!
    中々生で見るタイミングが無いのが悲しいのですがー…
    来年はなんとか床だけではなくて、氷上の高橋さんにお会いしたいものです( ;∀;)
    • 真響
    • 2017/10/03 10:00 PM
    お久しぶりです。真響さんの記事はいつも読ませて頂いてます。高橋さんの記事じゃないですが、物凄く頷いてしまって思わずコメントさせて頂きました。

    私もアラフォーなので(笑)、保毛田保毛男はリアルタイムで見てました。当時も差別的に感じた事などなかったですが、今はこういう批判が出てしまうのですね。
    当事者から「傷ついた」と言われたら、非当事者は何も言えないのですが、そんなに批判されなきゃいけない事なのかなと、何かモヤモヤしてました。ですが、真響さんの文章を読んで「そうそう!そういう事だよね!」と、ものすっごくスッキリしたのです(笑)真響さんは、上手く言葉にできないような事を、すごく明確に書いて下さるところが本当に凄いと思います。

    こういう事が起きると、抗議を恐れる故のタブーが増えていきそうで、少し恐い気もします。お笑いに限らず一昔前のドラマや漫画でも、今だったら放映・掲載できないものって結構ありそうで。そのものを出すだけでダメとするのではなく、それを出した上で何を表現したいのかを理解する事が必要なんだと思うのですけどね。
    • prin
    • 2017/10/11 10:58 PM
    prinさん、こんばんは!
    コメントありがとうございます!
    そしてお返事遅くなりまして、ごめんなさい(>_<)

    そうなんですよね、当事者から言われるとそれ以上話し合いの余地が無くなってしまうところが、こういう問題の難しさだと思います。
    何やらどこかの記事でも「傷ついた」と声を上げることが大事なんだと、相手に悪意の有無は関係無いと言うような意見もあったようですが。
    本文にも書いたように何で傷つくかは千差万別で、全てに配慮していたらお笑いに限らずどんな表現もNGになってしまうと思うんですよね…

    私はシングルマザーなので、ネットやテレビで余りにもステレオタイプなシングルマザー像のごく一部の人だけをフューチャーされたりしていると、怒りを通り越して呆れますが、なんて言うんでしょうかね、自分の立場を丸ごと理解してもらうなんてハナから無理だと思っているので笑
    逆から考えれば私も社会の人々の全ての人生を理解することなんて不可能な訳ですからね。

    うまく言えませんが、LGBTの方々に限らず今の日本は自分は指一本動かさずに、環境の方が自分に都合の良い様に変える事だけに躍起になっている気がします。
    そんな人だけではないと分かってはいるのですが、リターンだけもらいたい人達の声が大きすぎて、少々ウンザリしてしまいます…

    何にせよ、どんな立場にあろうとお互いが思いやれる世界にしたいですね。

    • 真響
    • 2017/10/14 1:03 AM
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